私は2024年12月末に長年勤めた会社を退職し、無職となりました。
その後ふと気になったのが「企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)」の行き先です。
在職中に少し調べたこともあり「iDeCo(個人型確定拠出年金)」に自分で移換しなければならないということはなんとなく理解していました。
でも実際にやってみると、これが思った以上に大変で…。
今回は、私が 三井住友信託銀行の企業型DCを楽天証券のiDeCoに移換した実体験 を、時系列でまとめてみました。
「退職後のDC手続きって、何から始めればいいの?」と不安な方の参考になれば嬉しいです。
・iDeCo(個人型DC): 個人が任意で加入し、自ら掛金を拠出・運用する年金制度。税制優遇が受けられます。
なぜ移換が必要?|企業型DCは放置するとどうなるのか
退職後に企業型DCを放置すると、自動的に国民年金基金連合会へ移換 されてしまいます。
これは国民年金基金連合会により管理され、手数料が引かれ続ける上、運用が停止したままになります。
そうなると、将来の年金資産としてもったいない状態になってしまいます。
自分でiDeCoに移換することで、これまで積み立てた資産を継続して運用できるようになります。
私のケース
移換先:楽天証券のiDeCo
手続きは楽天証券のWebページだけで完結できる…はずでした。
実際は、2度の移換失敗を経験 し、ようやく完了したのは手続き開始から5ヶ月後。
その過程で気づいた注意点や失敗談を共有します。
手続き前に分かっていたことと準備したこと
退職前に把握していたのは次の2点だけでした。
- iDeCoへの移換が必要
- 自分で手続きを行う必要がある
実際の申請には以下の情報が必要です。
- 基礎年金番号(年金手帳などで確認)
- 記録関連運営管理機関(企業型DCの管理機関名)
この「記録関連運営管理機関」を間違えると、申請が差し戻されます(私がそうでした…)。
企業ごとに委託先が異なるため、加入時の書類や企業の総務部などでの確認が必要です。
【失敗談①】記録関連運営管理機関の誤入力で申請却下
申請日:2025年1月27日(月)
楽天証券のWebサイトで申請を開始。
「自営業・無職・学生(第1号被保険者)」として新規加入手続きを進めました。
しかし、2025年2月12日、楽天証券から届いた電子メールには
「国民年金基金連合会での加入資格審査の結果、お客様の加入資格が確認できませんでした」
との記載。
理由は、記録関連運営管理機関を「JIS&T」と誤って入力していたこと。
私の場合、三井住友信託銀行の企業型DCの実際の運営管理機関は「NRK(日本レコード・キーピング・ネットワーク株式会社)」でした。
※ 2025年2月10日に三井住友信託銀行から圧着ハガキが届き判明。
【失敗談②】国民年金の資格変更漏れで再申請
再申請日:2025年2月12日(水)
1回目の失敗を受け、記録関連運営管理機関を正しく入力して、2025年2月12日に再申請。
ところが、2025年2月20日にも不備通知が届きました。
原因は、役所への「国民年金の資格変更手続き」が未済 だったこと。
退職しているのに、年金の情報は「会社員(第2号被保険者)」のまま。
一方、申請時には「自営業・無職・学生(第1号被保険者)」として登録していたため「職業不一致」で弾かれた形です。
書類とメールがバラバラに届き、混乱…
この頃、楽天証券と国民年金基金連合会から
- 「個人型年金移換不能通知書」(圧着ハガキ)
- 「手続き内容に不備あり」(電子メール)
が立て続けに複数届き、どれが最新なのか、何をすればいいのか、完全に迷子に…。
楽天証券サポートチャットが心の支えに
国民年金基金連合会の電話サポートはナビダイヤルであるにも関わらず繋がらない…。
やむなく(問合せ先として合っているのか悩みながら)楽天証券のサポートチャットを利用しました。
ここでようやく、現在の申請状況と必要な手続きを明確に教えてもらえました。
アドバイスに従い、
- 現在の申請をすべてキャンセル
- 申請処理が完了してから再申請を実施
という流れに変更。
2025年3月18日、今まで行った申請をすべてキャンセルしました。
そして、ようやく移換完了!
再々申請日:2025年3月24日(月)
楽天証券のサポートチャットに従い、改めて再々申請を行いました。
その後の流れとしては、以下の通りトントン拍子で進みました。
- 2025年4月11日:「iDeCoの加入手続き完了」の電子メールが楽天証券から届く
- 2025年4月16日:「口座開設のお知らせ」「パスワード設定のお知らせ」がJIS&Tから郵送された情報を元に楽天証券から追加手続きを実施
完了確認日:2025年5月3日(土)
2025年5月3日に、楽天証券のWebページにてiDeCoの移換されたことを確認できました。
ようやく…ようやく…完了しました!
退職から6ヶ月の猶予があるとはいえ、5ヶ月目での完了…ギリギリでした。
まとめ|これから移換する方へのアドバイス
私のような回り道をしないために、以下の点を押さえておくと安心です。
✅ iDeCo移換手続き前に確認しておくこと
- 記録関連運営管理機関の正式名称を確認(企業型DCの通知書を確認)
- 退職後は速やかに国民年金・健康保険の届け出を役所で済ませる
- 不明点は楽天証券のサポートチャットを活用(電話より早くて親切!)
🔄 企業型DCからiDeCoへの移管手続きの流れまとめ
- 記録関連運営管理機関の確認: 企業型DCの通知書や会社に問い合わせて確認。
- 国民年金の資格変更: 退職後、速やかに市区町村役所で手続きを行う。
- iDeCo口座の開設: 楽天証券などでWeb申込を行う。
- 必要書類の郵送: 記録関連運営管理機関名や職業情報が正確であることを確認。
- 書類到着・受付確認: メールやマイページで進捗を確認。
- 資産の移管完了: 旧DCからiDeCo口座へ資産が移換され、手続き完了。
私の場合、1. と2. のミスにより2回移換申請が不備で返却されました。
特に「退職後すぐの国民年金手続き」と「記録関連運営管理機関の正確な入力」は、事前に必ず確認することをおすすめします。
最後に|面倒だけど、やってよかった
手続きは本当に面倒でしたが、将来の年金資産を守るために必要なこと。
これから手続きをされる方のヒントになれば幸いです。
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