この記事の対象者
- 最近、出勤するときになると身体の調子が悪い…
仕事場に向かう途中でどんどん気持ち悪くなるし、でも気のせいかもしれないし、どうしたらいいんだろう…
「適応障害」の症状
私の場合は幸い症状が軽いと(私自身が勝手に)思われたため、深刻な症状に悩んでいる方には、「なんだそれくらいで…」とか思われるかもしれません。
でも、この程度でも仕事ができなくなることを知っていただけたらと思います。
私の症状は以下の通りでした。
- 会社に行こうとすると咳き込みや吐き気がひどくなる
- 会社に行かなくても大丈夫となった時は症状が治まる
※休日での発症はほとんどない - 夜は眠れる
- 食欲は少し落ちる程度
- 色々なことに対してやる気はほとんどなくなる
- 自分の行動や決断に自信がなくなる
特に、上記3.の「夜は眠れる」というのが、私には逆に最大の悩みの種でした。
症状を個人的にネットで調べましたが、うつ病や新うつ病などでは、ほぼ「夜は眠れない」とのことで、「病気ではないのかも…」と思いながら過ごしていました。
それでも、通常の生活(特に働くこと)に影響がでているのは間違いなく、自分だけで結論を出して「身体に変調が出るほどの症状」を我慢をするというのは怖いことと、今なら思えます。
休職までの具体的手順
私の適応障害と診断されるまでの流れは以下の通りです。
- メンタルクリニック(または精神科)に通う
※初診は予約が必要なところが多いので、電話予約をした方が安心です - 現在の状況を主治医に相談する
- 今の状況が「身体の変調も含めて」変えないといけないと考えた場合は、主治医と相談の上、診断書の作成を依頼します
※休養の期間も主治医と相談して決定しました。 - 診断書が作成されたことを会社(上司もしくは総務部門)に伝え、提出します
- 当初の休養期間で症状が治まらない場合は、毎月「診断書」「疾病手当金請求書」「療養状況報告書」を会社へ提出する。(最大1年6ヶ月)
※書類は会社から自宅へ郵送されてきました。その後は送付された資料をコピーして使いました。
まずはメンタルクリニックへ通う
私は、2010年頃に超過時間勤務により会社の産業医の診察を受けた時に教えてもらい、初めてメンタルクリニックに通いました。
2010年当時は、そのメンタルクリニックに通い、投薬治療をしても正直なところ効果を実感できず、いつの間にか自主的に行かなくなっていました。
そこから6年経過し、2016年3月頃から仕事中に気持ちが悪くなることがたびたび起こるようになっていました。
2016年4月に入り、他に知っている病院も知らないため、2010年に通ったメンタルクリニックに電話をして診察を受けることにしました。
その時は、投薬で様子を見ることになりました。
そうして約1年半ほど週1回通院しながら働いていました。
症状がひどくなり…診断書の作成を依頼
2017年9月頃に徐々に仕事場に近づくと気持ちが悪くなるという症状が顕著になってきました。
ただ、仕事場に着いてしまったり、夕方に近づくと気持ち悪さも落ち着いていたりしていました。
そんな中、仕事場に向かっている公共交通機関に乗った直後からいつもと違う咳き込みと吐き気が襲ってきました。
このままだと吐いてしまうと感じ、公共交通機関から降りました。
そこで、会社へ休みますとの電話連絡を入れて、家に引き返そうとすると、嘘のように吐き気がなくなりました。
その頃は、自分でも身体が出社を拒んでいるなあとは思っていたのですが、この時の症状の出方はちょっと危ないとは感じました。
そこから数日上記の症状が続き、メンタルクリニックの主治医に相談し、少し会社から離れて様子を見たいと伝え、診断書の作成をしてもらいました。
メンタルクリニックに通ってみてわかりましたが、主治医から「診断書を書くからすぐに休め」という話はされず、あくまでも私(本人)が休むことを望まない限りは診断書は書いてもらえないことでした。
なかなか、判断ができないような心が弱っている時に、他の人たちへの迷惑などを考えると「診断書を書いてもらう」という決断はできないというのが本音でした。
それでも、ある程度のストレスはどこでもあるとは思うのですが、「身体に変調が現れる」ような症状が出る場合には、背に腹は代えられないと思うようにして書いてもらうようにした方がよいと思います。
罪悪感を感じるのであれば、例えば、治って普通に働けるようになったら取り返すぞ!と思えば、少しは罪悪感が軽減されるかもしれません。
そして休職へ…
上司には、診断書が作成されたことを電話で伝え、診断書に書いてもらった1ヶ月半は様子を見るため休みをもらうことになりました。
あとから知りましたが、この時から休職となるわけではなく、有給休暇の取得で普通の休暇扱い(給料が満額もらえる休暇)でした。
その有給休暇の間に症状が治れば、給料が変わらないまま復帰できます。
私は、1ヶ月半では症状が治らず、11月初旬、12月初旬と診断書を会社に提出をしました。
11月、12月は、今まで使用したことのない休暇「諸休暇(病欠)」を使い2ヶ月休暇を経た後、2018年1月から休職となりました。
1月以降も毎月頭に会社に診断書を提出することになります。
併せて会社から指定された「疾病手当金請求書」「療養状況報告書」も提出します。
これにより疾病手当(通常給料の3分の2)を最大1年6ヶ月の間は受け取ることができます。
この疾病手当は一度会社に入り、会社から給料を受け取る口座に振り込んでもらえることになります。
毎月の税金や財形貯金や生命保険料などの天引き控除は、その疾病手当から差し引かれて、口座に振り込まれますので、自分で別途支払う必要はありません。
注意点としては、「疾病手当金請求書」を提出してから審査があり、私の場合は提出月から2ヶ月後に疾病手当をいただけました。
1~2ヶ月分の生活費は普段から準備しておいた方がよいかと思います。
私は、上司と会うことは苦になっていなかったため、会社の前まで出向き提出書類を手渡ししていました。
会社に行くこと自体が苦となる方は郵送でもいいのですが、手渡しでも郵送でも毎月提出にはなります。
復職までの具体的手順
私の症状は最初にも記載していますが、職場に行かなくても良いとわかると症状が治まるため、日々の休職中の生活では「なんで家にいるんだろう?」と考えることもしばしばありました。
このため、すぐに復帰できるだろうと軽く考えていたのですが、月に1回の書類提出時に、少し咳き込んだり、吐き気がでたりすることがあり、ずるずると復職時期が延びていきました。
書類を渡す際に、上司には近況報告といつ復職できる見込みかを伝えていたのですが、延び延びとなり、迷惑をかけたと思います。
結局、2019年5月まで休職となってしまいました。
では、復職の手順ですが、私の場合は、以下の通りでした。
- いつ復職するかを主治医と相談する
- 自分自身の意志で復職する時期を主治医に伝え、許可をもらう
- 復職する時期を会社に伝える
- 復職に向けて2週間ほどの働くための生活リズムを整えるため、勤務時間にあたる時間を図書館などで過ごす
※復帰時期を会社に伝えた際に、このリズムを整え方をすることを勧められました
※このとき、嘘のように働くための体力が落ちていることに気付かされました… - 会社の産業医と日にちを調整し、産業医と面談をする
- 産業医から依頼を受けた形で、主治医に「職場復帰診断書」を記入してもらう
- 後日、産業医に「職場復帰診断書」を提出とともに面談を行い、試験出社時期を決める
- 指定された日にちから2週間「試験出社」として、会社に勤務時間を過ごす(何をしていても可だが、読書がオススメ)
※この「試験出社」期間は無給です。このため、この期間は仕事をしてはダメです。
※この「試験出社」期間の交通費は自腹でした - 試験出社後、再度産業医と面談をし、出社日を決定し、その日から働き出す
※1ヶ月は残業や休日出勤は禁止
手順は上記の通りで、約1年6ヶ月ほどの休職期間から復職しました。
復職にあたり、以前の体調を崩した部署からは異動となりました。
働き始めた数ヶ月は、本当に働くための体力が落ちていて、仕事をほぼしていないにも関わらず、毎日ヘトヘトになって帰宅していました。
また、新しい部署の上司が、以前の私を知っている人で、(おそらく私は甘やかすより少しショック療法がいいという判断だったのかと思っていますが)早々に通常の仕事を振るように接してくれました。
正直、当時の自分は、すぐに潰れてしまうのでは?とも思いましたが、メンタルクリニックに通いながらも2021年4月現在まで、何とか仕事を続けてこれています。
「適応障害」から復職して思うこと
20歳~30歳代は、無茶な働き方をしても(させられても)、体力と気力がついてきてくれて、大変でしたが乗り越えてこれました。
40歳後半~50歳代ともなって振り返ると、ずっと会社のためと思い、突っ走って働いてきましたが、体力や気力が年齢とともに衰えてきたのか、ボロがでてしまう結果となりました。
その経験から、2021年4月現在でもまだ就業制限はかかったままなのですが、無理をしない程度に自分の生活を大事にした上で、私が与えられた仕事を就業時間内にこなして、他の人に迷惑を(極力)かけないように、働くことを目標にしています。
あまり、自分自身の身体や考え方に無理/矛盾を感じたまま働き続けて、身体を壊しても復帰できればいいのですが、復帰できなければ、会社は責任をとってくれません。
そうなる前に、上司と相談や意見交換、ときには意見衝突をさせてみて、その場は後ろめたい気持ちになるかもしれませんが、その後に活きてくることもありますので、自分がゆずれる部分はゆずり、どうしても納得できないときは何らかの行動を示してみるというのがよいと考えます。
最後に、復帰後の適応障害との付き合い方について、別記事でも書いていますので、ご覧いただけたらと思います。
「【実体験】適応障害との付き合い方|試行錯誤中…」
以上です。参考になれば幸いです。
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