家計簿をつけ始めたきっかけ
一人暮らしを始めるとき、「引越しにはどれくらいお金がかかるのか」を知りたくて、軽い気持ちで家計簿をつけ始めました。
それが今では、生活の軸となる「安心のもと」になっています。
最初はExcelに支出を入力するだけのシンプルなもの。
それでも続けていくうちに、生活のリズムや自分の癖までもが見えてきて、数字が自分を支えてくれるような感覚が生まれました。
現在はGoogleスプレッドシートに移行し、2018年からの記録を蓄積しています。
私の家計簿スタイル
もともと細かい作業が苦にならない性格なので、レシートを見ながら一品ごとに手入力しています。
少しやりすぎかもしれませんが、当時は「家計を正確に把握したい」という思いが強く、消費税も一品ずつ別項目で入力していました。
この作業を続けているうちに、スーパーによって「税額の計算方法」が違うことにも気づきました。
ほんの1〜2円の差ですが、自分の手で数字を追っていたからこそ気づけた発見でした。
以前は購入時刻(5分単位)まで入力していたこともあります。今ではそこまで細かくはしていませんが、当時の自分の生活リズムを振り返る貴重な記録として残しています。
カテゴリ分けと集計方法
スプレッドシート上では、月別の集計表を自動で算出できるように設定しています。
カテゴリは次のように分けています。
収入項目
- 給与
- 配当
- 副業損益
- その他収入
支出項目(固定費)
- 家賃
- 水道・ガス・電気
- 通信
- 車関連
- 住民税・国民年金・国保
支出項目(変動費)
- 食品
- 医療
- ペット
- 衣服・理容
- 生活雑貨
- 家電
- サブスク
- 交際費
- その他
以前は「NHK」や「任意保険」などもありましたが、見直しの中で整理しました。
続けていくうちに、自分の支出のクセや傾向が見えてくるものです。
退職後の生活費を見える化
この家計簿が一番役立ったのは、会社を退職するときでした。
過去の実績データをもとに「退職後の生活費がどれくらい必要か」を、具体的に算出できたのです。
収入項目には「副業損益」も入れていますが、ブログのサーバー代などで赤字が続いているのが実情です(^^;
それでも、年間の支出総額と退職後の見込み収入を比較することで、「貯金であと何年暮らせるか」が明確になりました。
家計簿が教えてくれる「安心」
もともと外出の少ない生活スタイルということもあり、支出は自然と抑えられていました。
結果として、「定年まで働かなくても生活ができる」と判断できたのは大きな安心でした。
また、自分の生活費を具体的に把握していたことで、国民年金の受給開始時期を考える際にも大いに役立ちました。
年金受給のタイミングを決めるために
2025年現在、国民年金は65歳から満額受給ですが、60歳からの繰り上げ、75歳からの繰り下げも選べます。
繰り上げでは1ヶ月ごとに0.4%減額、繰り下げでは0.7%増額。どちらも一度選ぶと変更はできません。
生活費を数字で把握していれば、「どの年齢で受給を始めると安心か」を冷静に判断できます。
私は60歳からの受給を検討しています。65歳より24%減りますが、支出とのバランスを考えると「それでも暮らせる」と判断でき、迷いがなくなりました。
不安を小さくしてくれるのは「数字」
もちろん、将来何が起こるかは誰にもわかりません。
病気、事故、災害、介護――悲観的に考えればきりがありません。
それでも、過去数年の生活データがあれば、少なくとも3〜5年先の見通しは立てられます。
「万が一のときは、小さく働けばいい」と思えるのも、数字が根拠をくれるからです。
退職してまだ1年未満ですが、いまのところ後悔はありません。
家計簿は、単なるお金の記録ではなく、安心して生きるための “羅針盤” だと感じています。
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