いつから始まったか記憶があいまいですが、マイナンバーカードは2016年に交付が始まったそうです。この記事を書いている2025年から見ればすでに9年経過しているのですね。
かつて住基ネット導入時には、住民票コードが「国民総背番号制」と揶揄され批判を浴びましたが、今ではそれも忘れられるほどマイナンバー制度が定着しています。
当初は、政府への不信が大半だと思いますが、なんでもかんでも紐づけて個人情報は大丈夫なのかとの危惧もあいまいなまま、さまざまな手続きに必要となる場面が増えたことで、マイナンバーカードは徐々に生活に浸透していきました。
そんなマイナンバーカードの見直しがされるという記事を見つけましたので、個人的にも少し気になるため、ピックアップしたいと思います。
以下では、2025年10月19日付けのニュース記事の内容を整理しつつ、私自身の感想も交えてご紹介します。
2028年導入予定! 新しい「マイナンバーカード」は何が変わる? 用途拡大と次期カードのポイント(Yahoo!JAPANニュース)
2016年の交付開始以来、生活の中に少しずつ浸透してきたマイナンバーカード。総務省によると2025年9月末時点で保有率は79.6%となっており、健康保険証や運転免許証との一体化のほかスマートフォンへの機能搭載など、デジタル社会の基盤としての役割が急速に拡大しています。
そして今、注目を集めているのが、2028年に導入が予定されている「次期マイナンバーカード」。デザインや機能、セキュリティが大幅に刷新される見通しです。
そもそも本来は初期に発行されたカードが有効期限(10年)を迎えるタイミングである2026年に導入される予定だったこともあり、「今持っているカードはどうなるの?」「新カードは何が便利になるの?」と疑問に感じている人も多いでしょう。
本記事では、2025年10月現在のマイナンバーカードの活用状況をおさらいし、次期マイナンバーカードの概要と重要なポイントを詳しく解説します。
スマホ搭載が進む「マイナンバーカード」の現在地
現在、マイナンバーカードは、健康保険証と一体化した「マイナ保険証」、運転免許証と一体化した「マイナ免許証」として実用的な利用が可能になっています。
■健康保険証との一体化
これまでの健康保険証は、2024年12月2日をもって新規発行が停止されました。発行済みの保険証は経過措置として最長1年間(2025年12月1日まで)使用可能ですが、社会全体が「マイナ保険証」を基本とする仕組みへと移行しつつあります。
本人の同意があれば、医師や薬剤師が過去に処方された薬や特定健診の情報を閲覧でき、重複投薬の防止や適切な診断につながります。
また、2025年9月19日からは、マイナ保険証のスマホ利用もスタートしました。これは、事前にスマホアプリ「マイナポータル」にマイナ保険証を登録しておくことで、スマホをかざして医療機関の受付をすることができるようになるもの。
つまり、健康保険証の代わりとなるマイナ保険証が、スマホでも利用可能になったことで、医療機関の受付ではマイナンバーカードを出さずに受診できるようになりました。
■「マイナ免許証」の運用スタート
2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証の一体化、いわゆる「マイナ免許証」の運用が全国で始まりました。
マイナ免許証は、マイナ保険証と同じく、マイナンバーカードに運転免許証の機能を持たせたもの。任意で「マイナ免許証単体」または「従来の免許証との2枚持ち」を選択でき、住所・氏名の変更手続きがワンストップ化されるほか、更新時講習(優良・一般運転者のみ)をオンラインで受けられるというメリットがあります。
2028年登場予定「次期マイナンバーカード」は何が変わる?
2016年1月に交付が始まったマイナンバーカードは、発行から10回目の誕生日までが有効期限です。つまり、2026年から初期にカードを作った人たちの更新時期が順次到来します。
政府はこのタイミングに合わせ、これまでの課題を解消し、最新技術を取り入れた「次期マイナンバーカード」への切り替えを予定していました。
しかし、2025年6月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」で、導入予定が2026年から2028年度へと変更に。スピードよりも確実性を求めた結果の変更だといえます。
しかし、この「次期マイナンバーカード」について、これまでのマイナンバーカードと何が変わるのか、いまいちよく把握していないという方も少なくないでしょう。主な要点をいくつかご紹介します。
■デザイン刷新とプライバシーへの配慮
新しいカードは、誰にでも見やすく使いやすいユニバーサルデザインが採用される予定です。文字を大きくし、レイアウトをすっきりさせるとともに、券面の記載内容にも大きな変更が加えられます。
たとえばプライバシー保護とLGBTQ+の方々への配慮から、券面の「性別」欄がなくなります。性別情報はICチップ内にのみ記録され、必要な行政手続き等でのみ読み取られます。
■面倒だった「5年ごとの更新」が不要になる見込み
記事内で触れてきた通り、カード自体の有効期限は「10年」ですが、マイナンバーカードをオンラインで利用するための「電子証明書」の有効期限は現状5年です。つまり、これまでは5年ごとに役所の窓口に行き、更新手続きを行う必要がありました。
次期マイナンバーカードでは、セキュリティ技術の向上により、電子証明書の有効期間がカード本体と同じ「10年」に延長される予定です(発行時に18歳未満の場合、容貌の変化等を考慮してカード・電子証明書ともに現行通り5年のままとなる予定)。
つまり、大人の場合はカードを作ってから10年間、更新の手間なく使い続けられるようになります。
■暗証番号の統合
現在、マイナンバーカードには用途に応じて最大4種類の暗証番号を設定する必要があります。「どれがどの番号かわからなくなる」「忘れてロックされてしまった」といったトラブルも少なくありません。
次期カードでは、この複雑さを解消するため、暗証番号が以下の2種類に統合される見込みです。
・券面事項入力補助用等の短い暗証番号(数字4桁)
・署名用電子証明書の長い暗証番号(英数字6〜16桁)今のカードは有効期限まで使い続けられる?
新しいカードの発行が始まっても、現在持っているマイナンバーカードは、券面に記載された有効期限までそのまま問題なく使用できます。慌てて切り替える必要はありません。健康保険証や運転免許証としての機能、スマホ搭載機能なども継続して利用可能です。
切り替えの対象となるのは、10年の有効期限を迎える方。有効期限が近づくと、有効期限通知書が届きます。この通知を受け取ったら、案内に従ってスマートフォンやパソコン、郵送などで新しいカードの交付申請を行います。
なお、現在マイナンバーカードの電子証明書に使用されている暗号方式「RSA-2048」は、2031年以降の使用が推奨されていません。そのため、たとえば2021年~2027年に現行のマイナンバーカードを作った人、もしくは電子証明書を更新した人は、2030年12月31日までに次期カードへ移行する必要が生じる可能性もあります。
この詳細についてはまだ法令や運用ルールが発表されていないため、自治体窓口での電子証明書更新時期や運用延長措置の有無など具体的要件の公表を待つ必要があります。
また、新カードを受け取った際には、スマートフォンに搭載している機能(スマホ用電子証明書)も再設定が必要になる見込みですので、その点は留意しておきましょう。
スマホライフPLUS
ネットの声は?
今回のニュースに対して、ネット上ではさまざまな意見が見られました。

この記事には、追加の補足が必要です。2024年12月で「現行の健康保険証」は廃止され、「マイナ保険証(マイナンバーカードの保険証機能)」への一本化が進みますが、マイナ保険証を利用していない人向けに交付される「資格確認証」は引き続き発行・利用可能です。
資格確認証とは、健康保険証が廃止された後も、マイナ保険証を使わない人向けに健康保険の加入資格を証明する書類です。
医療機関や薬局で、これまでの保険証と同様に提示して受診・調剤ができます。
2024年12月以降、新規の健康保険証は発行されません。
ただし、マイナ保険証を持たない人・申請していない人には、加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合・国保など)が資格確認証を交付します。
マイナ保険証・資格確認証いずれでも受診可能です。
「健康保険証」は今年12月で廃止されますが、「資格確認証」はなくならず、今後も利用可能です。

「マイナ免許証」 について新規取得や更新者のうちマイナ免許証を選択したのは以前は約2割だった。システム障害によりマイナ免許証に一体化できない不具合が生じたり、取得の順番を間違えると免許証不携帯の交通違反になるおそれがあるとか酷かった。マイナ免許証を取得したあとにマイナンバーカード更新をしたらカードに免許証情報が入っていない状態になって再びひも付け作業が必要になるなど煩雑だった。色んな面で改善が必要で今の所メリットよりデメリットの方が多い。

個人的には公費の無駄使い以外の何ものでも無いと思いますけどね。
国民に管理負担を強要する割にはセキュリティはクレジットカード以下だし、利用するメリットも無いに等しいですよ。
やるのであれば生体認証必須で手続きもオンラインで24時間いつでも出来るようにするのが必須だと思いますね。

マイナンバーカードは元々は取得は任意から始まりましたよね?いつの間にか健康保険証も運転免許証もマイナンバーに纏められ、義務になりました。便利なのは良いことですけど、デジタルが苦手な方への配慮もしてあげてください。そして個人情報はしっかり保護してください。
このニュースで思うところ
Yahoo!JAPANニュースの記事を参考にしつつ、私自身でも少し調べてみました。
2028年の刷新内容の概要
次期カードでは、特に注目すべきは「電子証明書の10年化」と「暗証番号の統合」です。
以下に、主な変更点を整理します。
導入時期
当初2026年に予定されていた導入は、運転免許証一体化やマイナ保険証運用の安定を優先して2028年度へ延期されました。
主な変更点
- デザイン刷新とユニバーサルデザイン対応
文字を大きくし、視認性を高めたユニバーサルデザインに変更。 - 性別欄の削除
LGBTQ+などへの配慮から、券面の「性別」記載を廃止。性別情報はICチップ内にのみ保存されます。 - 電子証明書の10年有効化
現行では5年ごとに更新が必要な電子証明書の有効期限を、カード本体と同じ10年に延長。18歳未満は従来どおり5年。 - 暗証番号の統合
現在4種類ある暗証番号を2種類に統合し、利用者負担を軽減。 - 発行・更新体制の改善
郵便局などでの更新手続きが可能となる方向で検討中。特急発行対象も拡大予定。 - 利用期限・有効期限の新設ルール
有効期限切れは「10回目の誕生日の1か月後」に統一予定で、更新忘れ防止機能が強化されます。 - 今のカードも期限まで使用可
現行カードは失効するまで引き続き利用でき、罰則はありません。
刷新のねらい
次期カードは「見やすく、使いやすく、安心に」を重視した再設計であり、更新手続きの簡略化・プライバシー保護・セキュリティ強化が柱になります。特に電子証明書の10年化と暗証番号簡素化により、利用者の利便性が大幅に向上する見込みです。
マイナンバーカード所持により得られる恩恵
では、マイナンバーカードを持つことで実際にどんなメリットがあるのでしょうか。代表的なものを挙げてみます。
- 本人確認と身分証明:
運転免許証やパスポートに代わる公的な身分証として利用でき、オンラインや窓口での本人確認が迅速に行えます。 - オンライン行政手続き:
確定申告、児童手当、介護保険の申請、引越し届出など多くの行政手続きが自宅からオンラインで完結します。 - 健康保険証の利用:
全国の医療機関や薬局で健康保険証代わりに使用でき、複数医療機関の情報も共有され、医療費の自己負担限度額も適用されやすくなります。 - 生活の効率化:
コンビニでの証明書取得や、スマートフォンを利用した本人確認などが可能になり、手続きが簡便化します。 - 社会保障や税制の公平性向上:
正確な所得把握や給付金の迅速配布、デジタル社会基盤の構築に役立ち、行政の効率化と公平性向上に寄与します。
補足として、マイナンバーカードの普及とともに、行政手続きや医療・社会保障分野だけでなく、民間領域でのデジタル化も進展しています。今後さらに便利なサービスやセキュリティの向上が期待されます。
2025年11月以降に予定される新サービス
- リモート窓口サービス(オンライン市役所)開始
対面の代わりに、ビデオ通話等を利用して自治体職員と相談・手続きができる「オンライン窓口」が本格運用開始予定。証明書発行、子育て支援、介護申請などを自宅から可能とする。 - 運転免許証との一体化連携運用
2025年3月より始まった運転免許証一体化機能が、同年11月以降には全国の自治体で完全運用フェーズへ。住所・氏名変更、免許情報更新をマイナポータル上で行える仕組みに拡張する。 - スマホ搭載型マイナンバーカード(iPhone対応)
スマートフォンに電子証明書・基本4情報(氏名、生年月日、住所、性別)を格納し、本人確認や住民手続をスマホ単体で完結可能へ。 - 在留カードとの一体化
外国人住民向けに在留カードとマイナンバーカードを統合したカードの発行が2025年度内に開始予定。在留手続や永住許可申請もオンライン化に対応する。 - 戸籍・資格情報のオンライン化拡張
国家資格やパスポート、戸籍関連手続きをオンラインで氏名・住所更新できる範囲を順次拡大。婚姻・離婚・転入関連手続もデジタル化する。 - 住民データ活用型サービスの提供
希望自治体では、住民情報を活用して行政・医療・防災通知などを自動的に連携するサービスを2025年度以降順次展開予定。
今後の拡張予定(2026年以降)としては、
- Android端末へのフル機能搭載(電子証明書・基本情報)。
- 死亡・相続分野におけるオンライン一括手続(遺族手続の簡略化)。
上記の施策実施により、2025年末以降は「カードを持ち歩かずにスマホで行政・生活手続が完結する」実用段階に入っていくことが進められていきます。
まとめ
私の場合、株投資を開始する際の証券口座作成のためにマイナンバーカードを作成しています。
電子証明書の期限切れ(5年間有効)のために初めての更新手続きも完了させました。
作成して5年超の期間が経過して個人的に思うことは、「持っていても持っていなくてもあまり差異を感じない」です。
カードを持つことによって、小さな恩恵(証券口座作成、確定申告)は受けられていますし、個人情報漏洩のようなセキュリティ的な不具合などは今のところありません。
以前、マイナンバーカードに他人の情報が紐づけられているのではないかという懸念が挙げられていましたが、その情報もマイナンバーカードを持っていることによりマイナポータルにて自分で確認することができます。
今後、マイナンバーカードの利便性がさらに向上していく予定です。すでにすべての国民にマイナンバーが付番されている現状を考えれば、自分の情報を自分で確認・管理するという意味でも、カードを活用する価値はあるのではないでしょうか。
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